2007年12月25日

恋空

ケータイ小説のヒット作を映画化。高校生を中心に大ヒットした原作を基に映画もヒットしている。

平凡な女子高生の美嘉(新垣結衣)は同じ高校に通うヒロ(三浦春馬)と運命的に出会い、瞬く間に恋に落ちるが、ヒロの元カノからの嫌がらせや妊娠など想像を絶する悲劇に見舞われてしまう。そのうえ、ヒロから一方的に別れを告げられた美嘉は心に大きな傷を負うが、ヒロと正反対の穏やかな優(小出恵介)と出会い、心癒されていく。(Yahoo!映画

 劇的な人生、レイプ、ドラッグ、難病、妊娠、中絶や流産・・・考え付く限りのトラブル要素を盛り込み、"実話"(あくまでダブルクオーテーションつきだ)と言うラベルを貼って稚拙な単語の羅列に変換したもの。筆者が思い描いたケータイ小説(カタカナだ)に対するイメージ。(WEBだとか、映画、テレビとメディアの在り様と作品の質とは本来無関係なのだが、まだまだ洗練が必要なメディアと言う評価が妥当なところだと思う。)文章が酷くても映画になればもしかしたら、の期待も、今は虚しい。もしかしたら『デビルマン』を越えるかもしれない作品に出会った。

 高校生が思いつく限りの妄想をつなげたと思える構成には、実際に犯罪の被害にあった人や病気になった人を愚弄するものさえ感じさせる。強姦された人の心の傷はあんなにあっさり解消されないし、癌の苦しみはあんなものではない。もし実際に出会っていたらとてもあのような描き方は出来ないと思う。アレはお話の中の出来事だよ。本作も創作として世に出ていれば、「キツイ」とか「ヒドイ」ですむが、これは酷い。もしくは非道い。

 全て自分の都合のいいようにあっさりと理解を示す親もまた・・・。子供の思い通りになるのがいい親ではないと言うことがまだ理解できていない人の創作だ。

 こうした作品を作るときには脇を固める大人の役者は芸達者な人を持ってくるのが常套手段だが、本作では高橋ジョージ を父親役に抜擢すると言う冒険をして惨敗している。

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恋空
監督: 今井夏木
出演: 新垣結衣 、三浦春馬 、小出恵介 、香里奈 、麻生祐未 、波瑠 、高橋ジョージ 、浅野ゆう子
評価: ★(Mr.Childrenの歌に。)

2007年09月24日

HERO

人気ドラマの映画版。ドラマを楽しく見ていた人にはオススメの、いい意味でドラマのままの作品に仕上がっている。

東京地検城西支部に再び戻った久利生(木村拓哉)は、ある傷害致死事件の裁判を任されるが、容疑者が初公判で犯行を全面否認、無罪を主張したために思わぬ事態を迎えてしまう。被告側の弁護士・蒲生(松本幸四郎)は“刑事事件無罪獲得数日本一”の超ヤリ手。さらに事件の背後には、大物政治家の花岡練三郎(森田一義)が糸を引いていることを突き止める。(Yahoo!映画

 ある事件に絡んで因縁の相手が登場。しかし久利生はあくまで目の前の事件の真相を突き止めることに力を傾ける。

 人間と言うのはついつい周りに流され、足元がおろそかになる。目の前の出来事の大切さを忘れる。
大事なのはなにかと言うことを見失わない久利生の姿に、少しわが身を振り返ろう。

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2007年08月19日

ベクシル 2077 日本鎖国

日本発の3Dアニメーション作品。『ピンポン』の曽利文彦監督。

21世紀初頭、世界市場を独占した日本のハイテク技術は危険視され、国際規制の対象となった。 これに猛反発した日本は国連を脱退し、鎖国を強行。それから10年間、ハイテクを駆使した完全なる鎖国により日本の実像は厚いベールに隠された。 2077年、日本に潜入した特殊部隊の女性兵士ベクシルは、異様な光景を目撃する。(Yahoo!映画
 日本伝統のセルアニメになれた日本人が気持ち悪いと思わない3Dアニメのギリギリの線を狙って独自の表現を工夫して撮ったそうで、ハリウッドの奇怪な人間よりはかなりまし。
ただしそれも主要な人間のみで、その他大勢のなかには気持ち悪い人間も。

 物語は強引なところも多いが、ハリウッドのSFアクションがOKなら十分に楽しめる。実際ハリウッドなら所謂実写でやるんだろうなあ、とトランスフォーマーを見た後の筆者は思うのであった。
 主人公はベクシルだが真にこの物語はマリアの物語である。

 ラスト日本民族が残念なことに・・・これに対して野暮なツッコミを入れても無意味。人としての誇りを最後まで捨てずに行きぬいたアリアと全ての原因となり、最後まで人間だった斉藤。果たしてどちらが人らしかったのか、そこにこの作品の答えがある。

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ベクシル 2077 日本鎖国
監督: 曽利文彦
出演: 黒木メイサ 、谷原章介 、松雪泰子 、柿原徹也 、朴路美 、大塚明夫 、櫻井孝宏 、森川智之 、柿原徹也
評価: ★★★

EUREKA ユリイカ

青山真治が北九州を舞台に描いた作品第2弾。心に深い傷を負った人々の、崩壊と再生への旅を描く
九州の田舎町で起こったバスジャック事件に遭遇し、生き残った運転手の沢井と中学生と小学生の兄妹。3人は凄惨な現場を体験し心に深い傷を負う。2年後、事件直後、妻を置いて消息を絶っていた沢井は再びこの町に戻ってきた。同じころ、周辺では通り魔の犯行と思われる連続殺人事件が発生し、次第に疑惑の目が沢井にも向けられるようになる。兄妹が今も二人だけで生活していることを知った沢井は、突然兄妹の家に行き、そこで奇妙な共同生活を始める。(Yahoo!映画)
 物語はモノクロームで描かれる。これはバスジャック事件に巻き込まれることで傷ついた彼らの心を通してみた世界の物語。沢井や兄妹にとって事件から2年たっても自分の中の時計は止まったままであり、いくら旅をしても、一歩もそこから動けずにいるのだ。

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Helpless

青山真治監督の劇場映画デビュー作。このあと青山真治は「ユリイカ」「サッド ヴァケイション」と北九州を舞台にした映画を撮る。
高校生の健次は、仮出所したヤクザの安男に再会した。組の仲間が安男に組長の死と組の解散を知らせに来たが、安男はそれを信じずにその仲間を殺し、組長を捜しに行く為ショルダーバッグと妹のユリを健次に預ける。健次はユリを連れて安男との待ち合わせ場所に向かうが、そこで健次もトラブルを起こしてしまう…。(Yahoo!映画)
 疑心暗鬼に陥り、自らを破滅させていくヤクザと、彼と知り合いだったがために知らず知らず狂った世界に足を踏み入れてしまう高校生。予告編ではこの高校生が旅を始める前のプレロードムービーという表現をしているが、実際の作品は旅立ちではなく、ただ、ふらりと歩を進めている姿を描いている。目の前で死体が埋められようと、気に入らない人を衝動的に殺しても。ただふらりと歩いていく。

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2007年08月05日

トランスフォーマー

日本製のおもちゃに端を発した人気アニメの実写映画化。製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグ、監督にマイケル・ベイが就き、地球を舞台にエイリアンどうしで戦いを繰り広げるSFアクション。

2003年、火星にビークル2号探知機を打ち上げるが、火星に到着後NASAとの交信が途絶えてしまう。その後、アメリカ、パリ、東京、さらにはアメリカ大統領の乗るエアフォース・ワンの機内など、世界中の至るところで同時期に奇妙な現象が起きる。人間たちは、それが地球上のあらゆるテクノロジーをスキャンする知能を持つ“金属生命体”のしわざだとは知らず……。
さまざまなものにトランスフォームするロボットのシリーズはその後いろいろな派生作品を生み出していった人気シリーズ。
 メカが大好きな男の子はこれだけでときめいてしまう。物語は大きく膨らませることはせずに、プロットを最大限に「映画」としての迫力を持ってぶつけたと言う感じで、夏休み作品として、これはアリだと思う。
 実際に戦うのは所謂「善玉」「悪玉」の金属生命体の戦いがメインであり、これが地球上で行われてことによっていやおうなく巻き込まれていくのが地球人たちである。
 ストーリー的には単純なのでスクリーンに広がる映像を楽しむことに徹すればいい。

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マイ・ガール

 少女が大人へと成長していくひとときを温かく切り取った作品。誰しもが通ってきた子供時代を思い出させる良作。
'72年、ペンシルヴェニア州マディソン。ベーダ(クラムスキー)は、葬儀屋を営むやもめ暮しのハリー(エイクロイド)と少し老人性痴呆症気味の祖母と暮らす11才の女の子。遺体に死に化粧を施すために美容師のシェリー(リー・カーティス)が雇われ、ハリーとシェリーは次第に接近して行く。近所に住む幼なじみのトーマス(マコーレー・カルキン)と父の恋の邪魔をするベーダだったが効果は全く無し。やがて、ベーダとトーマスの間にも恋心が芽生えるのだが……。 (Yahoo!映画

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2007年07月29日

夕凪の街 桜の国

 広島原爆投下13年後を生きた女性と現代を生きる女性。二人の目を通して描く、「原爆」。
昭和33年広島、皆実(麻生久美子)は同僚の打越(吉沢悠)から求愛されるが、彼女は被爆した心の傷と、自分が生き残った罪悪感に苦しんでいた。やがて、皆実に原爆症の症状が現れ始める。半世紀後、皆実の弟の旭(堺正章)は家族に黙って広島へ向い、父を心配した七波(田中麗奈)は、後を追う内に家族のルーツを見つめ直す。(Yahoo!映画
「13年後」の主演は、麻生久美子。「現在」を田中麗奈。徐々に過去のものとしてその記憶が薄れつつあるような「原爆」、そして「戦争」。しかし現在を生きる人の人生の中にも、なおその暗い影はちらつき、「原爆後」にも懸命に生きた人の人生が存在する。

 被爆した皆実は、目の前で起きた原爆の惨状や妹の死をずっとその胸に抱えて生きてきた。「自分は生きていていいのか?」「自分は幸せになっていいのか?」皆実は言う。「自分は死んでしまえと思われた人間だ」「私が死んだら、原爆を落とした人は喜ぶのだろうか『やった!また一人死んだぞと』」
「原爆は落ちたんじゃない、落とされたのだ」そう弟に語る皆実の言葉は「歴史上の出来事」ではない、当事者の言葉を代弁した強さを持っている。
 「原爆はしようがなかった」のか? これを観てもう一度考えてほしい。

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